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夢売るふたり(2012)

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ストーリー★★★☆(★3半つ)
モアリズムの音楽★★★★★(★5つ)


久々のブログで、さらに久々の待ちに待った西川美和作品だ。

小さいが非常に人気が高い小料理店。単価が安い割に気が利いた料理を出し、それでいて気取っていない。そんな店は常連も新規の客も多く、口コミで噂が広まり確実に人気を伸ばしていた。厨房は腕がいい料理人の夫が一手に引き受け、フロアは細かいところに気が利く妻がすべてをまかなっている。料理を出すタイミング、酒を進める間も妻の細かい配慮、夫婦間のあうんの呼吸で流れるように進んでいく。
こんな店があったら、きっと自分も通いたくなるだろうと思う。
非常に感じがいい店だ。

そんな夫婦の間に、ちょっとした"魔"がさしてしまう。普通ではありえない、ちょっとした隙間。「まさか」という瞬間に、キッチンから火が昇り、店は全焼してしまう。



冒頭から一気に事件を起こしてしまうところは、相変わらずの西川パターンともいえる。

そして、物語はここから始まる。

結婚詐欺という題材にはじめ、どうなんだろうか? と思っていたが、騙される(騙されるという表現が正しいかは不明。違うともいえる)女性たちの話よりも、夫婦間の心理がおもしろい。

夫婦間に見えない亀裂が入って、互いにぎくしゃくした思いを出だしていても、夫婦というのは一種の習慣性を帯びていて、簡単には断ち切れない。ふとした日々のルーティンワークは心の中にどろどろとした思いを秘めていても、長年培ってきたようにこなしてしまう。そんな長く暮らしだ男女ならではの描写を見事に描いていて、「こういうところが西川美和だな……」と小さな隅っこに西川美和がたくさん垣間見られた。

デスクで寝ていた妻が、朝帰りした夫に誘導されてベッドに連れて行かれる時、足の上に足を乗せて無意識に歩くシーンがあったが、あれって見事だと思った。いろいろあっても過ごした時間が勝ってしまうことってあるんだよね~~。悲しいかな。

まぁ、全体のストーリーは、意外と予想できてしまう展開ではあったので、ふ~んそうか、って感じに終わった。

ラストをかもめで結んだのは、かもめの「つがい意識」が強いことを表現しているのか?
 一度つがいになると長年ペアになることが多いらしい。
深読みかしらん? 相変わらず、ラストに余韻を残しますな。

そして、西川映画からファンになって、かなり頻繁にライブににもいくようになったモアリズム。
今回の音楽は歌なしですが、なかなか雰囲気があってよかったです。
サントラ買っちゃおうかな♪

あ、そして、照兄も「ここかよ!」って役でチラ登場します^^;
まぁ、最近ちょっとテンション落ちてますけど・・・^^;
by lifeis4989 | 2012-09-26 00:01 | 日本映画

ヒジョ~~~に偏った視点で、思い切り勝手に選んだ映画やドラマの感想とその周辺のお話。


by lifeis4989