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69 sixty nine(2004年)

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ストーリー★★★★(原作に比較的忠実だったから^^)
大人子どもの制服図鑑度★★★★★(★5つ!)

昔から「村上龍派? それとも村上春樹派?」という質問をよくされる。ともに、同時代にデビューし活躍し、姓が同じだったってだけなんだけど、学生時代からこの質問を何度となくされた気がする。
私は、学生時代はどっちもよく読んだけど、好みなのは俄然、龍さんのほうだった。春樹作品も読んだけど、なんというかモヤモヤしてイライラしちゃう部分があって、最後まで読破できない作品もあった。
でも、かといって龍さんの作品もすべてが好きなわけではない。彼のSM系の作品は正直あんまり好きではない。性描写が嫌いってわけではなく、正直どうでもいいから^^; SM描写があってもパンクでアナーキーでドーパミンが出ちゃうようなテンションがあれば好みかもしれないんだけど、あんまりそんな気になれないものが多かったからだ。あと、自己満足の紀行文みたいなお話も好きではない。
龍さんの作品で好きなものは、ピリピリしちゃうような緊張感や1ページまるまる句読点が一切ない文章で、全速力で走りぬけるようなパンキッシュな文体。
10代の頃に『コインロッカーベイビーズ』を初めて読んだときには、あまりに興奮しちゃって夜眠れなくなって、外に走りに行ったことがあった^^; 『限りなく透明に近いブルー』を読んだのは、高校時代。舞台はもろ地元。でも、自分とは程遠い現実があることを知って、怖さと知りたさでなんとも言えない気持ちになったこともあった。
とにかく一時、かなりどっぷり村上龍信者になっていたことは確か^^;



でも、小説の村上龍は好きなのに(もちろん、苦手な作品もあるけど)、龍さんが作る映画はへどが出るほどつまらないし、映画化された作品もみんなイメージぶち壊しなものばかりで、「もう絶対観るもんか!」と思うものばかりだった。

だから、村上龍作品の映画化は観ない、が私の中で定番化してしまっていた。
なので、この大好きな『69 sixty nine』も観てはイケナイ!と決め込んで、観ていなかった。
ところが先日、『アウトレイジ』の加瀬君がかっちょよかったんだよぉぉ~と映画好きの友人に話をしていたら、彼女が「あぁ、私も加瀬君は好きだよぉ、『69 sixty nine』のときに彼を観てから、うまいな、と思って^^」と言うではないの!! え? 『69 sixty nine』っておもしろいの? と聞き返すと、「意外と原作に忠実で、思った以上に原作のイメージを壊していないぞ」と。彼女も村上龍好きだったので、これは信用できるかも、といまさらながら観てみることに^^

こりゃ、初めていいと思った^^
クドカンと李相白監督というコンビもあり、あの小説の独特なリズム感を殺すことなく、かつ闘争ばかりに走ることなく、おバカでSEXが大好きで、でもちょっと世の中の事なんかも考えてみちゃっている田舎の男子たちをなかなかいい感じで描いていた。ここ数年、やったらケンカばっかりするヤンキー者の映画があまりに多いけど、高校生男子って、今も昔もそんなタイマンばっかり張っているわけじゃなくて、こんな感じにエロ本みたり、親に怒られながらも夕飯はきちんと家で食べてみたり、でも、学校への不満は充満しているけど、グリグリ真剣ってわけでもなく、遊び半分なんだけど本気半分でもあって、女の子も大好きなんだけど男とつるむこともやっぱりやめられなくて、毎日楽しいことないかなぁ、なんて思いつつ、将来が不安になったりもする、なんて毎日を過ごしているもんだよね^^ってこの映画を観て、改めて感じてしまった。

なんかこういう映画観ちゃうと、男の子ってバカだけど、この何だか夢中になっちゃうおバカ加減ってちょっとうらやましいよなぁ~、次は男に生まれてこんなおバカな闘争とかしてみたいよなぁ~とか思っちゃうのでした^^

妻夫木君は、高校生役。大人時代劇は正直観ていて「うむ。無理があるよね^^;」と思っていたが、やっぱり彼は高校生とか大人になりきれない中途半端男子がとってもよく似合う^^ 
加瀬君もこのときすでに29歳だったはずだが、高校生がよく似合う。バター犬のシーンでは高校生どころか中学生を演じているんだもの^~^ でも、全然違和感なし^^ 
さらに、新井浩文の番長も何だかダサくてカワイイ^~^
コヒーが嫌なグラマー教師で出てきてみたり^^;
そして、味わい深い岸部一徳さまと父親役の柴田恭兵^^
ここんところ、クドカンの作品、う~~ん、なんかさぁ、元気さもポップさも音楽性もイマイチ、みたいなものが多かった。でも、この作品は素直に笑えるし(まぁ、原作自体が笑えるんだけど^^;)、なかなかポップに仕上がっていると思う^^

それにしてもいいなぁ~、九州の言葉は^^ うふふふ。
男の人がしゃべるのはもちろんいいんだけど、女の子がしゃべるのも味わい深い^^

今回は当たりだった村上作品だが、そういえば、ちょっと前に『コインロッカーベイビーズ』がハリウッドで映画化されるなんて、ニュースが出ていたっけ・・・。リブ・タイラーがアネモネで、他に浅野忠信も出るなんて噂があった。でもさぁ、どう考えてもリブ・タイラーがアネモネってなんだよ・・・って感じ。リブ・タイラーなんてもうおばちゃんじゃん・・・。さらに、浅野君はあんまりパンキッシュなセリフが似合わないので、ダメですダメダメ・・・。
この作品だけは、もっと若い子でやらないと!!
映画化は不可能な作品と言われてきたけど、今のCG技術なら可能かも^^
最近は、若い俳優でうまい子も増えてきたから、ぜひとも日本で映画化してほしいなぁ。
でも、本当は今年公開だったけど、何も噂がもないがポシャッたのだろうか??

さらにさらに『半島を出よ』は、日韓共同で映画化しているって噂で、エキストラ募集もあったけど、何だかそれから話題がすっかりなくなって約1年・・・。やはり、村上龍作品は鬼門なのか・・・^^; とほほほほ。
by lifeis4989 | 2010-06-26 04:35

ヒジョ~~~に偏った視点で、思い切り勝手に選んだ映画やドラマの感想とその周辺のお話。


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